一般社団法人レイヴェールスポーツクラブ

オンザピッチ、オフザピッチ(監督 葛西)

函館ラ・サールサッカー部では、

~フィールドを支配し、最高のポゼッションサッカーを~

というLa Salle’s Wayを掲げています。そのため、後方からのビルドアップを大切にし、ボールを動かそうとします。基本的には一人一人が良い立ち位置に立つことで、より優位になると考えています。ただ、サッカーは相手がいるスポーツなので、毎回同じようにボールが運べるとは限りません。

今回の合宿に入ってから今日で3回試合をしました。それぞれ違う守備の仕方をしてきたので、当然相手によってボールの動かし方、自分の立ち位置を少しずつ微調整しなければならないのです。練習やミーティングなどで、様々な引き出しは与えてあるので、要はその中からどの引き出しを開けてプレーするかが大事なのです。(それを実行するための技術はもちろん必要になりますが・・・)

ただ、今日のゲームではそこがチームとしてうまくいきませんでした。サッカーはチームスポーツです。自分だけが分かっていればいいわけではありません。チーム全体で共有しなければ意味がないのです。具体的に言うと、今日の試合では相手はうちよりフィジカル的に優れていたため、DFラインの選手が単純な裏へのボールやロングボールを出しても、簡単に跳ね返されてしまい、セカンドボールを拾うのも難しいです。相手は中盤をコンパクトにしているため、なかなか間に良いボールが入りません。DFラインの選手は裏が空いてるので、当然裏に蹴るわけですが、最初に言ったようにうまくいかず、手詰まりになるわけです。

ここからどうするかが問題になります。様々な状況を観て、判断し、それをチームで実行していく必要があります。今日の試合でいうと、中盤に入らなくても、サイドから前進できるシーンはありました。そのため、サイドからある程度前進したら、そのサイドに人を集め、狭い局面をショートパスで打開します。もちろん失うこともありますが、その局面に人数を集めてポゼッションをしているため、切り替えをしっかりやれば、そのエリアでボールを奪い返すことができます。その循環を作り出すことで、うちのペースで試合を進められたかもしれません。広いスペースでボールを失い、相手にプレッシャーがかからない状態で簡単に裏に蹴られ、押し込まれる展開が続くなら、うちのストロングポイントを活かし、あえて狭い局面を作りそこを崩し切る、またはチャンスの時だけ広いスペースを狙うといったことをゲームの中で早く作り出したかったと思っています。

サッカーの試合の中で自分たちの信念であるフィールドを支配するためにどうするか、そして勝利するために何が必要か考えるためには、オフザピッチでの取り組みも大事になっています。合宿中にあった一つの例ですが、現在、視聴覚室を掃除し、土足厳禁で使用しています。そうなると入口に靴を置くのですが、最初のうちはほとんど靴を揃えて置いていませんでした。靴を揃えて置くというのは当たり前のことです。当たり前のことを当たり前にやる必要があるので、靴は揃えようと注意します。その後、3種類の人間が出てきます。一つ目は「そこで気づき揃える人」、二つ目は「言われたのに気づかないで揃えない人」、三つ目が「気づいているのに揃えない人」(ある意味三つ目が一番たちが悪いと思いますが、そこは置いておいて・・・)
気づいて揃える人は素晴らしいと思います。ただ、チーム内にはそうではない人もいます。揃えている人の靴が視聴覚室の前にあり、その一つだけを見るときちんとしているのですが、全体を見るとバラバラです。それでは意味がないのです。サッカーもそうです。自分だけ良いプレーをしてもチームが良くなければ意味がありません。そうなった時、気づいた人が周りに伝えられるか、伝えられた側が行動できるか、そしてチームとしてまとまりが持てるか。これが何より大事です。正しいことを言うのに躊躇することはありません。サッカーの試合でも勝つための発言は尊重されるべきです。そして、言われた側もそれを謙虚に受け止める必要があります。オフザピッチがオンザピッチに繋がってきます。

今日の試合はチームとして共通した良い引き出しを開けることができなかった。気づいてる選手、気づいてない選手共にいたと思いますが、コミュニケーションをとり、チームが一つの塊となってイメージを共有することができなかった。それは練習の中でも改善する必要がありますが、オフザピッチの中でも改善する必要があります。靴の並べ方一つとってもこれくらい考えることがあるのですから、それ以外の所でも学べることはいっぱいあるはずです。ここが改善されればもっと強くなれるはずです。
それがサッカーに繋がっていき、ゆくゆくは社会に出た時、一人の人間として大切なことになってくるでしょう。

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